第一章 ミルクティーとの出会い


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───人生なんて、意味がないと思う。


十七年余りしか生きていない女がなにをほざくと思っただろう。
でも私は、そう思わずにはいられないのだ。


だって、人間なんてどうせ死ぬ。
生きている限り死は必然の出来事として訪れる。


人生をかけてなにかを遺したとしても、何十年もすればきっと忘れ去られる。
無意味だなぁ、と思う。


生まれた瞬間から人生のゴールは死と決まっていて、私達はそれに向かって生きているんだろう。


学校の屋上で、風に吹かれながら私はそんなことを考えていた。


雲一つない青い空に、右手を伸ばしてみる。
空と比べると私の手は信じられないくらいに小さくて、頼りなく見える。


手を下に下ろすと、視界が明るい水色でいっぱいになった。


───なんだか、怖い。


足元がふらつくような、地面が揺れているような、そんな感覚がする。
昔からそうだった。空を見つめると、怖くなる。