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ぴぴぴ、と無機質なアラームの音が鳴っている。
腕を伸ばしてアラームを止め、むくりと起き上がった。


薄いカーテンからは日の光が漏れ出し、それが暖かくこの部屋全体を照らしている。
机の上に置いたカレンダー。今日の日付には、花火のシールが貼られている。


そう、今日はお祭りの日だ。


昨晩は楽しみで楽しみでなかなか寝付けなかったけど、身体は十分と睡眠を取った感覚があった。


携帯を掴み、時間を確認する。
現在時刻、九時。
九時なんて起きるのが遅いと思われるかもしれないが、集合時間は四時半なので十分間に合う。


部屋を出て一階に下り、顔を洗う。
椅子に座り、片膝を立てたみっともない姿勢で甘いカフェラテとパンを食べた。


歯磨きをして部屋に戻り、ハンガーに掛けておいた浴衣に触れる。
先に浴衣を着ようか、先にメイクをしようか。


悩んだ末に先にメイクをすることにし、ドレッサーの前に座った。


丁寧に、綺麗にメイクを施していく。