不謹慎かもしれないけれど、一緒に墜ちていくのなら、怖くない。
向かう先が暗くて深い穴だとしても、蒼真くんがいてくれるのであれば、恐怖なんて薄れていく。


「だから、いいの。ふたりなら」


そうだ。
あの時屋上で出会ったときから、私たちはこうなることが決まっていたような気さえする。


すべてが必然で、私たちは共に生きる運命だった。
胸を張って、そう思える。


「……お祭り、本当に行く?」

「ほんっとビビりだね蒼真くん。行くよ」


バレたって、もうかまわない。笑われたっていい。
どれだけ冷やかされても、指を指されても、茶化されても、かまわない。


好きな人と一緒にいられるのなら、それでいい。


ふたり並んで見るであろう美しい夜空に思いを馳せながら、私は彼の手を握った。