足元にやっていた視線を上げ、渋谷先生を見つめる。
視線が、絡み合う。


「……なってください。私の、生きる意味に」


渋谷先生はにやりと口角を上げて笑った。
何を思ったのか私に手を伸ばして、下ろした。


「うん。なってあげる、佐々木さんの生きる意味に」


それだけ言い残すと、渋谷先生は教室から出て行った。
オレンジ色の光に包まれる背中を、私はずっと見つめていた。


どうしようもない胸の高鳴りを、感じながら。