翌日。いつも通りに授業が終わり、あっという間に放課後。今日もネタ探しのために校内を散策する天。
昨日の葵の発言からこの行動が知れ渡っているらしいが、それならばと開き直っていた。存分に観察させていただこう、ネタ共め、と。
しばらく歩いてもやはりいい感じの恋愛系のネタがない。探し方が悪いのか?とさえ思えてきた天は、ぼんやりと思考モードに入りつつ歩き回る。
ふと、意識を戻すとまたあの声が聞こえた。葵の声だ。いつの間にか剣道場の近くまできてたらしい。
天はそのまま声に導かれるままに足を進める。剣道場につけば、その声は一層大きく聞こえた。
「……ごっ!……ろくっ!」
天はまたこっそり覗こうと昨日と同じように背伸びをして高い位置にある剣道場の窓から顔を出す。すると、タイミング悪く素振りを終えた葵と目があった。また見つかった!と天は慌てて、しかし倒れないようにゆっくりと足を戻しそそくさとその場から立ち去ろうとした。
「赤音さん?」
そんな天の名を呼ぶ声がし、振り返れば葵が道場からでてきて、こちらを向いていた。その眼差しはどこまでも優しく、部活中だからか、どこか熱を持っているようにも見えた。天はその目にドキリとして思わず足を止める。
「……あ……いや、あの……」
「今日も見に来てくれたんですか?嬉しいです」
「えと……」
「よかったら中に入って見ていってください」
葵はそう言って剣道場の扉を開けた。天は少し戸惑ったものの、ここまできて帰るのもなんだし、どうせならネタをとことん集めてやろうと中に入っていった。
道場に足を踏み入れると、どこか神聖な雰囲気を醸し出しているように感じ、天はキョロキョロと見渡してしまう。そんな天がおかしかったのか、葵はクスクスと笑う。
昨日の葵の発言からこの行動が知れ渡っているらしいが、それならばと開き直っていた。存分に観察させていただこう、ネタ共め、と。
しばらく歩いてもやはりいい感じの恋愛系のネタがない。探し方が悪いのか?とさえ思えてきた天は、ぼんやりと思考モードに入りつつ歩き回る。
ふと、意識を戻すとまたあの声が聞こえた。葵の声だ。いつの間にか剣道場の近くまできてたらしい。
天はそのまま声に導かれるままに足を進める。剣道場につけば、その声は一層大きく聞こえた。
「……ごっ!……ろくっ!」
天はまたこっそり覗こうと昨日と同じように背伸びをして高い位置にある剣道場の窓から顔を出す。すると、タイミング悪く素振りを終えた葵と目があった。また見つかった!と天は慌てて、しかし倒れないようにゆっくりと足を戻しそそくさとその場から立ち去ろうとした。
「赤音さん?」
そんな天の名を呼ぶ声がし、振り返れば葵が道場からでてきて、こちらを向いていた。その眼差しはどこまでも優しく、部活中だからか、どこか熱を持っているようにも見えた。天はその目にドキリとして思わず足を止める。
「……あ……いや、あの……」
「今日も見に来てくれたんですか?嬉しいです」
「えと……」
「よかったら中に入って見ていってください」
葵はそう言って剣道場の扉を開けた。天は少し戸惑ったものの、ここまできて帰るのもなんだし、どうせならネタをとことん集めてやろうと中に入っていった。
道場に足を踏み入れると、どこか神聖な雰囲気を醸し出しているように感じ、天はキョロキョロと見渡してしまう。そんな天がおかしかったのか、葵はクスクスと笑う。