『では、また月曜日学校で会いましょう。おやすみなさい』

「うん、おやすみ」

 そこで電話は切れる。天は緊張から心臓がドキドキと早く脈打っていた。


「安岐くん、何考えてるんだろう」

 天は葵のことが気になって仕方がなかった。小説のネタとしては今のやり取りも絶好のキュンポイント。いい話が書けそうなのだが、それよりも葵のことばかり考えてしまう。

「なんでだろ……」

 天は自分の気持ちにまだ気づかない。でもいつか何か、気づくだろう予感だけは感じていた。