Fステに出演していた時に着ていたドレスを脱ぎ、部屋着で彼女は寛いでいた。時計の針が十二時を示す。それをぼんやりと見つめながら、彼女は胸の奥が騒つくのを覚えた。
(何だろう、この感覚……)
ベッドから起き上がり部屋の中を歩いたり、防音になっている部屋で歌ってみたりするものの、胸の中の騒つきは晴れることはなく、澱のように心の奥底に沈んでいく。その時、アイの頭の中にふと初音の顔が浮かんだ。
「初音ちゃん……」
アイはリビングに行き、ほとんど触ることのないスマホの電源を入れる。そしてSNSをタップした。そこに出てきた不特定多数の声に、アイの顔は徐々に真っ青になっていく。
『Fステ、我らが女神アイの勝利!音無初音に賭けた皆さん、お気持ちどうですか〜?』
『初音のこともう応援できんわ。なんか暗くてマジ無理になった』
『音無初音の歌って暗くてダサくね?高校生が書く詞じゃない。音無初音年齢サバ読んでる説に一票』
『笑顔が嘘くさい。アイの方が可愛いし女神。あと劣化しない』
(何だろう、この感覚……)
ベッドから起き上がり部屋の中を歩いたり、防音になっている部屋で歌ってみたりするものの、胸の中の騒つきは晴れることはなく、澱のように心の奥底に沈んでいく。その時、アイの頭の中にふと初音の顔が浮かんだ。
「初音ちゃん……」
アイはリビングに行き、ほとんど触ることのないスマホの電源を入れる。そしてSNSをタップした。そこに出てきた不特定多数の声に、アイの顔は徐々に真っ青になっていく。
『Fステ、我らが女神アイの勝利!音無初音に賭けた皆さん、お気持ちどうですか〜?』
『初音のこともう応援できんわ。なんか暗くてマジ無理になった』
『音無初音の歌って暗くてダサくね?高校生が書く詞じゃない。音無初音年齢サバ読んでる説に一票』
『笑顔が嘘くさい。アイの方が可愛いし女神。あと劣化しない』