「そろそろ行かなきゃな…」
頭上にある太陽がとても熱く、暑さで頭がボーっとしてきたこともあり浜辺をあとにすると再び自転車に乗って走り出した。
海岸沿いから船着場を横目に進んでいくと、漁港のそばの市場にある食堂が見えてきた。
さっきいた浜辺からは五分程度なのに、自転車置き場に自転車をとめた途端、何度も息が切れた。
暑さのせいで疲れた体。
頰を伝ってくる汗を拭いながら歩き、食堂の入口から中をのぞく。
「おー!夕海、こっちこっち」
すると、食堂の一番奥のテーブル席にすでに着席しているおじさんが私に気付いて手招きしてきた。