そういや、あの最初の告白を皮切りに他の女子たちからも度々告白されるようになっていったんだよなぁ…なんて。
当時のことをぼんやりと思い出しながら、ゴロンと浜辺に背を倒す。

とはいえ、あの頃海斗が誰かと付き合うようなことはなくて。

けれどふとした瞬間。
クラスメイトの女子と話しながら笑っていたり、隣の席の子にわからない問題を教えてもらっていたり。

そういう姿を目にしては苛立つうち、私は次第に自分の気持ちに嫌でも気付くようになっていったんだっけ。


だけどそれを誰かに打ち明けるようなことはなかったし、詩織も駿も陽ちゃんも、みんなが海斗と仲が良かったから。

余計なことを言って友達の輪を乱すようなことはしたくなかったし、イライラしていてもそれまで通り五人で笑い、海斗に対しても変な態度をとることはなかった。