幼かったあの頃だけじゃない。
小学生の頃も中学生の頃も、私の隣にはいつも海斗がいた。
生まれた家がお向かい同士だった幼なじみの海斗は、物心がつく前から当たり前のように私のそばにいて。
この港町で…一緒に大きくなってきた。
小学生になると、そこに詩織と駿。
それから陽ちゃん。
大切な友達が三人が増え、私たちは五人でいることも増えていった。
しっかり者の詩織。
いつも優しい駿。
うるさいくらいに明るい陽ちゃん。
そんな三人と、私と海斗。
小学生の頃には自然とそんな仲良し五人組が出来上がっていたけれど。
「夕海」と私を呼ぶ海斗の声が変わった頃から、私の心に変化が生まれていった。
中学生になると、皆が急に大人っぽくなったように感じたり声変わりに驚いたり。
それまでは男女なんて関係なく友達は友達。そんな感じできていたのに、誰かと誰かが付き合っているとか、誰々さんが誰々のこと好きらしいよとか。
そんな話を度々耳にするうち、何故か少しずつ異性を異性として意識をするようになっていって。
多感な年頃だった、ちょうどその頃。
幼なじみの海斗が、同級生の女の子に手紙で告白をされるということがあった。
