「えっ?あ…プール?」
「うん、プール。いつも海だしたまにはプール行こうぜ。西高の近くのプールがリニューアルしてスライダーが変わったみたいなんだ」


駿はそう言うと、後ろをちらっと振り返って話を続ける。


「陽太も詩織も、明後日空けておいて。集合場所はーーー」


朝の九時に、詩織の家の前。
淡々と話を進めていく駿の横顔は、普段と同じようだけどいつもとどこか違う。

何故か少し、違和感を抱いた。
だけどそのまま予定はアッサリと決まって。


「じゃあ明後日ねー!」
「またなー!」


詩織と陽ちゃん、私と駿。
交差点で帰る方向が二手に分かれた私たちは、またね、と手を振り合ってそれぞれまた夜道を走り出した。

だけど二人きりになった途端、何故か空気がシーンとなり、会話という会話もないまま気付けばもうすぐ家に着く。そんなところまでたどり着いていた。

そして、駿は右に私は左に。
分かれるはずのT字路に着くと、駿が突然ブレーキをかけて止まったので慌てて私もブレーキをかけた。