「急に退院したんです。あの子が妊娠してるの、僕だけ知ってて。黙ってたのがバレて、嫌われました」


「じゃあ別れたのか」


「別れた!?」


「おん、嫌われたんだろ?」




周りの賑やかな声が、一気に聞こえない感覚に陥った。


僕とちひろちゃんの関係を、班長はだいぶ勘違いしている。




「どうやったら、そう見えるんだ…」


「何?聞こえない!」


「そんなんじゃないです!何でそうなるんですか!」


「篤見は、あの子のことが好きなんじゃないのか?」


「…僕が?」


「見てれば分かるわ!篤見、あの子に惚れてるぞ。自分で気づいてないのか!」