「篤見さん、これどうやってまとめるんですか?俺は現場向きなんで、資料系は頼れる先輩に…」


「ごめん、違う人に聞いてやって。それに、誰でもできるから。今日中に仕上げといて」




そんなことをやっている場合じゃない。僕はちひろちゃんのところへ行かないと。


棚にしまった、分厚い取調べ資料を引っ張り出してきて、住所を探す。




「…あった。僕の家から近い。家族は…母親が1人、離婚して母子家庭」




住所と基本情報に目を通すと、また棚に戻して警察署を出た。


今日は動きっぱなしだけど、不思議と疲れない。


きっと、ちひろちゃんの顔を見て話すまでは疲れていられないと、体が勝手に思っているんだと思う。