「それはもちろん。何をしようとあなたの勝手です。ただ、自分の気持ちを他人に理解してもらえないから、何も言わない物に話しかけてるんですよね?違いますか?」


「…」


「そして、理解してもらえないのなら、行動で表せば良いと誘拐をしたんですね。でもそれさえも拒否されてしまい、暴力で無理やり言うことを聞かせたと」





少し言いすぎただろうか。黙ったまま体を左右に震わせている。

答えを待っている間の静寂がやけに怖くて、僕と容疑者の間の空気が冷たく感じる。