息はまだ荒いけど、自傷の衝動はなくなったようだ。


涙でぐしゃぐしゃになったカーテンが、束になって元いた場所に戻り、ちひろちゃんはその場にへなへなと座り込んだ。




「うん…それで良い。怖いことからは逃げても良いけど、選択肢を間違えちゃダメだよ」




精神安定剤の出番はなく、涙がおさまると自分でベッドに戻ったちひろちゃん。


それでもまだ目が離せないので、ちひろちゃんが見える場所で、携帯を取り出して耳に当てる。