でも、あれはただの夢だったのかもしれない。



心を一向に開いてくれず、自傷の前兆も全く見えない。


自分の内に秘めたトラウマが、夢となって出てきただけだったんだろうか。




何も起こらないまま1週間が過ぎて、急性期病棟から経過観察の療養病棟に転棟が決まった。


転棟手続きを済ませ、ちひろちゃんは心療内科に移される。



容疑者の罪状が決まるまで、ちひろちゃんはここで入院することになる。




手続きもひと段落して、ふとちひろちゃんが居る部屋を覗いてみると、環境が突然変わって落ち着かないのか呼吸が荒くて、ベットの端に座って激しく貧乏ゆすりもしている。


そして、さっきからカーテンをじっと見つめている。