「刑事さんは悪くないよ。私が弱かっただけだから、自分を責めないで。…もう少し強かったら、私も刑事さんも苦しまなくて済んだのにね」


「いや。僕が気づいていれば、助けられたよ」


「じゃあ、あの子を絶対助けて。同じにおいがするから」


「におい?どういうこと?」


「私が死ぬ前に、部屋全体が甘いにおいに包まれたの。気分が良くなったと思ったら、急に頭の中が支配される感覚になって…。我に返ったときには遅かったの。その時と同じにおいがするから、気をつけて」