そんなある日、僕は夢を見た。


あの時助けられなかった女の子が、全身血まみれでこちらを向いて立っていて、笑顔で僕を手招きしている夢。


血まみれは怖いけど、夢だからだろうか。何の抵抗もなく、女の子に近づいた。




「久しぶりに会ったね。元気そう」


「久しぶり…。何であの時、部屋であんなことを」




夢の中でも自分の意志はちゃんとあって、再会を喜ぶ隙もなく、胸にしまってずっと聞けなかった言葉を絞り出した。