先に現場に着いていた救急隊の話では、家の周りに人が集まってきたのを知って、犯人が扉の鍵を閉めて立て籠ってしまったという。





「お前らは裏口から回れ。俺は正面で犯人の気を逸らすから、一気に近づいて取り押さえろ」





班長の命令で部下1人と裏口に回ると、幸運にも鍵が開いていて、ゆっくりと家に入る。


こういう気が抜けている奴が犯人だと、手っ取り早く捕まえられて、有難い。




正面では班長が犯人と話し合い、上手く言いくるめられた犯人が玄関をようやく開けていた。


その隙に、裏口近くに設置されていたキッチンで、両手を縛られて置き去りにされている女の子を保護するように部下に指示して、僕は犯人に近づく。