礼司にも余計なことを言うな、って怒られそう…。


「いいよ、一緒にやろうよ」

だけど、高野くんは首を縦に振った。

いやいや、優しい高野くんは断れないだけだ。


「ううん、大丈夫!本当に気にしないで!」

足早に商店街に入る。

早くこの話を終わらせないと!


「いや、その友達のことで礼司には感謝してるんだ。だから勉強のこと、俺は賛成だよ」

「え?そうなの?」


コロッケの美味しそうな匂いを感じながら、高野くんを見る。穏やかな笑顔で、少しも嫌そうには見えなかった。


「本当にいいの?」

「うん。礼司も誘ってみて」

「そうする!ありがと!」


同じ高校を目指す以上、礼司にも勉強を頑張ってもらわないとね。