「雪菜は元気かい?」

「元気だよ…でも、高野くんが…」


おばあちゃんに再会できた喜びが急に(しぼん)んでいく。


「そうか、そうか…」


キツネは綺麗な黄金の瞳で私を見る。

じっと凝視(ぎょうし)され、私の全てを見透かされているような感覚になる。


「彼を助けたいかい?」

「方法があるの!?」

「あるが…代償(だいしょう)なしには叶えることはできないよ」

「いいよ!私、なんでもするよ!私の命と引き換えでもいいよ!」


死ぬのは怖いけれど、そこにおばあちゃんがいてくれるのなら怖くない。

私が死んで、高野くんが助かるなら!それが一番いいよ!彼はこの世界に必要な人だから。