「雪菜、お疲れ様!」

体育倉庫でマイクスタンドを片付けていると多絵が飛んできてくれた。

「多絵もお疲れ様!」

「私たち本当に頑張ったよね!ねぇ、この後2人で打ち上げしない?カラオケとか?」

「あ、ごめん。高野くんと約束してて……私、高野くんへ正直に自分の気持ちを伝えようと思って…」

「え、それって?ぇえーーそういうこと??」

顔がカッとなる。きっと耳も赤くなってるよ。

「うん…」

多絵相手でもこんなに熱くなっていたら、高野くんに伝えたら私ーーどうなるの?心臓が止まったりしないよね?

「そっか、そうなんだ!!!応援するよ!」

強めに肩を叩かれる。


「後片付けは私がやっておくから、高野くんのところに早く行きな!」

「いや、でも…」

「いいから、早く!」

背中をバシバシと叩かれた後、無理矢理に倉庫の出口の方に押された。

「頑張れ!」

「ありがとう!行ってくる!」

大きく手を振って見送ってくれた。