「それで?付き合うの?」

木に寄りかかりながら、サンダルの裏で足元の砂利を(こす)っている。白いシャツと短パン姿で、家から駆けつけてくれたようだ。


「それは……」

「もしかして俺に遠慮してる?バカ雪菜のくせに?」

「バカって言うーー」

「好きなんだろう、あいつのこと」

私の文句に(かぶ)された言葉に、素直な返事をしてもいいものかと戸惑う。


「応援するよ」

「でも、礼司は高野くんと…」

「俺とあいつのことと、雪菜とあいつのことは関係ないんだろ。だから、応援する」

からかいもせず真面目な礼司は口元を緩めて笑った。


「良かったな」

「ありがとう!」

礼司に飛びつく。

幼馴染が応援してくれるなら、勇気を出して高野くんと向き合える。

神社まで私を探しに来てくれてありがとう。