高野くんが、私を好き。

私も、

私もーー

高野くんがーー好き。


想いを伝えられた、今、はっきりと答えが出た。
好きだから、高野くんのことを知りたいと思ったし、仲良くなりたかったんだ。

私も高野くんと同じ気持ちだ。


「本当に?」

もう一度、確認する。

「嘘でこんなこと言わないよ」

「ありがとう、嬉しい」


高野くんに向き直り、心からそう伝えた。

精一杯の笑顔と共に。


「こっちこそ、ありがとう」


少し充血した目で、高野くんも笑ってくれた。

ああ、こんな幸せなこともあるんだ。



それなのに。

ーー俺に、しとけば?


礼司のあの言葉が、急に浮かんできた。