大きく前後に揺れる高野くんを見つめ、


「ぇえ゛ーーーーっ!」


次の瞬間、奇声(きせい)を上げた。

自分でもうるさいと感じるくらい大きな声で。

待って、待って!
やっと考えることを再開した脳がパンク寸前だ。


高野くんも私の声に驚いたようで、ブランコをこぐ足は止まっていた。



「そんなに驚かなくても…」

「……」


ブランコを下りて、頭を抱えながらウロウロする。


えっ、聞き間違い?


「高野くんが、私を好き?」

「うん、好き」


混乱する頭に再び、『好き』という言葉が入って来て、ぴたりと動きを止めた。