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当然文化祭の準備には、身が入らなかった。

家に帰れば少しは紛れるかななんて思ったけど、
テレビを見ても、
ゲームをしても
悲しさは誤魔化せなかった。



これから、先輩のいない日々を送っていくことが
全く想像出来なかった。


そして、いずれその生活にも慣れていってしまうのが怖かった。


 癒しの一つを失って、
心にぽっかり穴が空いたような気がした。


 そんな不安を抱えたまま、
過ごした高校最初の夏休みは何も楽しいと思えなくて、ただただ苦痛だった。

ネガティブな感情に支配されるたび、
先輩のこと本気で好きだったんだ って
痛感させられた。

 どうすれば、
このショックから立ち直れるのだろう。

 私は未だにその方法に巡り会えていない。