ガラガラッ。
「しおりちゃん、いる〜?」
同じクラスの高山さんの声だ。
「はい!います!」
「じゃ、急ぎで来て欲しい!」
「分かった!すぐ行くね!」
あぁっ、二人きりの時間が終わっちゃう……。
っていうか、なんで私の居場所が分かったの⁉︎
「そっか、もう時間か」
「はい、残念ながら……」
「ほんとのお別れだね」
「寂しいです」
「うん俺も。せっかく仲良くなれたのに」
先輩も、寂しいって思ってくれてたんだ……。
「先輩、さようなら」
「うん、元気でね。
またいつかどこかで会えたらいいね」
また涙が溢れた。
その顔を見られたくなくて、
先輩に背中を向け、私は駆け出した。