「ふふ、先輩の気持ち分かりますよ。
あの図書室は結構品揃え?豊富ですよね」
「そう!
転校先の図書室がめっちゃ狭くて置いてる本も少なかったらどうしようって」

「先輩、ほんとに本好きなんですね」

「うん。そういえば!
最近読んだ小説がすごく面白くてさ……」

「へぇ〜、どんな内容なんですか?」

それから、先輩はその小説のあらすじや見どころを
教えてくれた。

身振り手振りからは先輩の情熱が伝わったし、
声の抑揚のつけ方や
物語の核心をつきそうでつかないところも
見事で、私は先輩の紹介に聞き入ってしまった。


「作品をプレゼンするのめちゃくちゃ上手いですね!
すごい読みたくなっちゃいました」

「え、そうかな」

先輩は少し照れてる。

「はい!才能あると思います」

「おだてても何も出ないよ……?
でも、興味持ってもらえたみたいで良かった」

「今度本屋さんに言ったら買ってみます!」

「うん、ぜひぜひ」

あぁ、幸せだなぁ。

もう今日が最後だなんて信じたくないよ。