私はぼーっと
校門へと向かっていく先輩の後ろ姿を見ていた。

先輩があんなに思いきり笑う姿は初めて見た。

あの顔がまだ頭から離れない。

相手が私なら、
どれだけ時間取られても許せる……って。

私のこと、友達みたいに思ってくれてるのかな。
それとも私のこと、好き……なのかな。

いやいや! 
それは流石に無いよね。

先輩が私みたいな地味な女子を
好きだなんて。

天と地がひっくり返っても起きないよね、
そんな奇跡。

でも、あんなこと言われたら勘違いしちゃうよ。

ほんとにズルイよ、先輩。