「エンジェルラダーの皆さんは、幼なじみなんですよね」


 「幼稚園からずっと一緒」


 「そんな小さいころから」


 「まさか4人でアイドルをするなんてね。理想の完成形には絶対になれないと、俺たちはわかっているんだ。スポットライトの光って、まぶしくて、息苦しくて、残酷だよね」



 あっ、またこの顔だ。

 微笑みで悲しみを包み隠しているような、痛々しい表情。



 ステージで歌っている唯都様はいつも、堂々としている。

 キラキラと光り輝いていて、自分の考えをしっかり持っていて。

 悲しみという感情とは無縁の、勝ち組パーフェクトアルファ様なんだと思っていた。



 でも違うのかもしれない。



 家族にしいたげられているせいで、友達に笑顔を振りまき続けないと生きられない私のように。

 唯都様も、目をそむけたくなるような闇を抱え、必死に隠し続けているのかもしれない。



 勝手な想像。

 証拠なんてない。

 でもなぜか、そう思えてしかたがない。