ひゃっ! 忘れてた、恥ずかしい……
使用人の服で人前に出ちゃったんだ私。
現在進行中でまとっているのは、黒いワンピースにレースのついた白いエプロン。
コスプレ好きだと勘違いされちゃいそう。
「あのね、この格好はね……」
「琉乃って幼さありの清楚顔をしてるから、メイド服が似合いすぎ。なんで今まで、私に披露してくれなかったかなぁ」
違うの、冴ちゃん。
支給された服に、ただただ袖を通しているだけで……
「鷹哉も、琉乃に似合ってるって思うでしょ?」
冴ちゃん、総長に同意を求めなくてもいいから。
返答に困っているんだろうな。
気まずそうな顔でうつむく総長、初めて見たかも。
「鷹哉はほんと、人をほめるのが苦手なんだから」
「冴もおそろいで着ればいい」
「へ?」
「俺が同じ服、買ってやる」