「その制服、あなたたちは琉乃と同じ高校の生徒ね」


 「俺ら神楽(かぐら)のクラスメイトだけど」


 「大人に対して敬語すら使えないの? これだから不良高校の生徒は嫌いなのよ。近所迷惑も考えず、人の家の前でわめいて」


 「私たちはただ琉乃に会いたくて……って、琉乃!」



 はぁ、はぁ、はぁ。

 やっと門の外にたどり着いた。

 流血&パトカー騒ぎになる前に、二人のところに駆けつけられてよかった。



 取りあえず息を整えなきゃ。

 深呼吸、深呼吸。

 深く息を吸って……吐いて……良し!


 
 荒い吐息とともに落ちていた視線を、目の前の二人に飛ばす。



 「(さえ)ちゃんも総長も、どうして私の家に?」



 二人は暴走族の総長と姫。

 高校の生徒全員が祝福している恋人同士。

 休み続きの私を心配して、学校帰りに私の様子を見に来てくれたのかな?



 「キャー、私の琉乃(るの)が可愛すぎ!」



 私の両肩に手を置いた冴ちゃんが、ニヤつきながら私の全身を舐めるように見つめてきますが……って……