ただ、ここ数日で私の考えに変化が生まれた。

 この家に住んで家族に虐げられる生活をするよりも、嫁ぎ先の方が天国かもしれないなって。
 


 私を使用人扱いして、寝るまで働かせようとする人はいないかもしれない。


 抱えきれない量の家事をやらされたとしても、誰か一人くらいは『ありがとう』と言ってくれる人がいるかもしれない。



 見えない未来に気を病んでいたらダメだ。

 ダークな思考をポジティブに変換して、強く明るく生きて行こう。



 どんな場所にいても、私にはエンジェルラダーの歌がある。

 これからも唯都さまたちの歌声が、私の心を救ってくれるはずだから。



 はぁぁぁ……


 唯都(ゆいと)さま……か。