理亜ちゃんの夢は、お金持ちのエリートアルファと結ばれること。

 オメガフェロモンのような匂いを放っているのも、香水をふりかけているからだと思う。

 香りの調合師さんに高いお金を払って、オメガ系の香水を作ってもらっていたから。


 
 ウソをついたって、理亜ちゃんに認めさせなきゃ。

 双子としての責任感に駆られ、私は理亜ちゃんの目の前まで進んだのに……



 「ダメでしょ琉乃、自分の第二の性を偽ったりしたら」



 にっこり笑顔で、私の両肩に手を添えた理亜ちゃん。



 「あなたはベータでも、私の可愛い双子の妹よ。あなたはそのままで十分魅力的なの。多くの人をだまし続けるのは、これで終わりにしましょうね。あなたが自分に自信が持てるように、姉の私も力になるから、ね」

 

 妹を溺愛する姉になりきり、私をギュー。