今まで生まれたことのない魅惑の欲望が、私の中で渦巻きだしていて

 ハートがとろけそうになっていて

 『心地いい快楽に、このまま浸かっていたいな……』

 そう思ってしまわなくもないわけで。



 「ひゃっ!」



 私の触覚が冷たさを感知した。

 木に背中をつけたまま、ビクッと私の肩が跳ね上がる。



 皮膚に沈み込んだ感触は、すぐに消え去ってくれた。

 代わりに込み上げてきたのは、燃えたぎるような恥ずかしさで。

 両手で顔全体を隠さないと、この場に存在していられない。

 できれば消えてしまいたい。



 「これで琉乃ちゃんは、俺だけのものだね」



 かぁぁぁぁ///



 推しにキスされるかと思っちゃった。

 実際は、首に何かを巻かれただけなのに……って。


 
 えっ? これって何?

 太くてヒラヒラしたものが、一周巻き付いていらっしゃるんですが……