刀を放り投げ、ステージからジャンプで飛び降りたアイドル様たち3人。



 「みんな、道あけて」



 ファンをかき分けかき分け、私のところにやってきた。



 地面にお尻べったりのまま、オロオロと不安げに瞳を揺らす私。

 私を取り囲んでいるのは、エンラダの我流(がりゅう)くん、独璃(ひとり)くん、尊厳(そんげん)くんで



 「この子が唯都の? 想像してたよりフツー」


 「こら我流、腕組み仁王立ちで睨みつけてはいけません。彼女、怯えてしまっているではありませんか」


 「思ったこと、口にしただけだっつーの」


 「でも確かに、そうきました感はぬぐえませんね」


 「キラキラ魔王の唯都に罵声を浴びせて黙らせるくらいの、ワガママ悪役令嬢を期待してたんだよ、こっちは」


 「僕は良いと思う。親しみやすそう」


 「心が綺麗な方とお見受けします。彼女が唯都の腹黒さを、お清めしてくださるといいのですが」