『俺たち5人でいつか、テレビの戦隊ヒーロー役を勝ち取ろうな』

 
 幼なじみメンバーで一つの夢に向かってガムシャラに稽古をしていたけれど、小6で夢の形が変わることに。


 天禰が俺たち4人に頭を下げたんだ。


 『ごめん……僕……やっぱりアイドルになりたい……』


 声を震わせながら。

 本当に申し訳なさそうに。


 『僕がみんなをアクションの道に誘った。5人でヒーローになろうって言った。その僕がこんなことを言うのは無責任だってわかってる。でももう自分の気持ちをごまかせない。僕ねアイドルになって世界中の人を笑顔にしたいんだ。トップミュージシャンしか立てない京見ドームをお客さんでいっぱいにしたい。だから今度は僕と一緒にアイドルをやってくれないかな?』


 今にも泣きだしそうな顔で。

 ぎゅっと唇をかみしめて。




 でも俺たち4人は、小1の時みたいに首を縦には振らなかった。

 アクションしか極めてこなかったんだ。

 歌って踊るなんてやったことがない。