小1の俺と我流と尊厳の行動力を、いま褒めたたえてあげたいね。
幼なじみメンバーの親を説得して、ビクビクの天禰と独璃の背中を押してアクション体験会へ。
稽古場で一番目をキラキラさせたのは、俺だったのかもしれない。
顔や体格なんて関係ない。
忍者衣装をまとったお兄さんお姉さんが、真剣な顔で模造刀を振り回し、忍者さながらのアクロバティックな技をバンバン決めていて、俺たち5人ともアクションにくぎ付け。
「すごい!」「カッコいい!」と興奮しっぱなし。
帰る時には5人そろって、親に入会届を書かせたほど。
子供には厳しい稽古ではあったものの、楽しいが圧倒的に勝っていた。
練習に通えば通うほど美しく仕上がる剣さばき。
側転ができた。バク転が決まった。バク宙も壁走りさえもマスターできた。
負けず嫌いな俺はより難易度の高い技に挑戦し、達成する快感に酔いしれた。