わかったって俺の要求を受け入れるような言葉を発したくせに、ほんとこの猛獣は。

 スマホを返してあげようなんて優しさは、微塵もない。



 俺のスマホを勝手にいじりだし、画面を見せつけてきた。

 八重歯を光らせたヤンチャ笑顔が、俺の不安を冷たくあおる。



 「代わりに送っといてやった」



 えっ、、、

 あああっありえないでしょ!


 【エンラダで一番かっこいいのは我流様だ。覚えておけ】

 
 そう書いてあるけど……

 俺になりすまし、琉乃ちゃんに変なメッセージを送っちゃうなんて。




 今すぐ訂正のメッセージを送りたい。

 のに、なんでこんな時に限ってドアを開け入ってきちゃうかな?


 「ガルルとユイ、そろそろステージ袖入れよ」


 白シャツの袖を二の腕の途中までまくって、鍛えあげられた筋肉を晒しているマネージャーが楽屋の中に。