「天禰(あまね)の時のような過ちは、二度と繰り返さない」


 力強い言葉とともに、大人気アイドルに抱きしめられた私。


 「琉乃ちゃんは俺の運命の番。命を懸けて幸せにしなきゃいけないお姫様なんだ」


 絡みついた腕が、私の頭を優しく撫でてくる。



「君だけに惜しみない愛を捧げると誓うよ。だから死ぬまで俺だけに愛されていてね」



 ドラマのような甘いセリフのあと、私の首筋が唯都様の舌に襲われて



 「早くここに噛みあとをつけたい。君に発情期が来れば俺だけのオメガにできるのに」



 首の後ろに唯都様の歯が沈みこんだ痛みは、心地よかったはずなのに……


 【嬉しい】という感情は私の中に生まれなかった。