私のことを幼稚園からの想い人と思いこんでいるように、甘くて荒っぽいキス。


 唇が離れるたび「好きだよ」と甘い吐息をこぼしてくるから、自分が愛されていると勘違いしそうになってしまうけれど……


 必要とされているのは私じゃないという哀れな現実に、涙が製造されそうになって、なんとか堪えて。



 あまねさんになりきってあげるべきだよね?


 そう思い抵抗を一切せずに彼の甘さを受け入れてはいるものの、心のザラザラは募るばかり。




 キスの嵐がおさまった。

 私は放心状態で動けない。

 ポニーテールの毛先を指でこすりながら、ぼーっと天井を見つめてしまう。


 それなのになぜかな?
 
 首から下の細胞は活発というチグハグも発生していて。

 血液は目覚めたように体中をめぐりだし、心臓は乱暴に肌を殴ってくるから痛みが胸あたりに広がってしまって。