ここからは私の推測に過ぎないが……
性格的にも人間的にもあまねさんに惹かれていたにもかかわらず、自分の中のアルファフェロモンの疼きで運命の相手を選別していた唯都様は
【これは恋ではなく、幼なじみとしての友情だ】
【天禰は俺の運命の番ではない】
【彼女には俺以外の運命のアルファが存在しているはずだ】
あまねさんに抱く甘い想いを、心の奥に押し込んだに違いない。
そんななか、あまねさんは天国に旅立ってしまった。
大好きな人の死は、唯都様にとって耐えがたいものだっただろう。
『ステージに立っていれば、あまねは天使のはしごを使って天国から地上に降りてきてくれるかも』
非現実的な期待を胸に、唯都様はアイドルの道に。