唯都様が無理をして笑っている。

　私を悲しませない配慮だとわかるから、なんて言ったらいいのかわからない。

　『ご愁傷さまです』も『悲しかったですね』も、軽い言葉として伝わってしまいそうで。
　


「あれ？」


　懐かしいものを見るような目で、じっと真横から見つめられていますが……



「そう思うと琉乃ちゃん、どことなく雰囲気が天禰(あまね)に似てる」


　
　あまね君って言うんだ。



「黒目が大きくて、細身で、自分のことよりも他人の幸せを優先する心優しい人なんだけど」



　私自身が褒められたみたいで、ハートがくすぐったい。

　でも唯都様の大事な友達と雰囲気が似ているのは嬉しいな。



　じわじわと温まりだしたハート。

　ルンと口角が上がりきったところだったのに……


「天禰(あまね)と琉乃ちゃんが並んだら、姉妹に見えちゃうかも」


　え？


「あいつもよくポニーテールをしてたから」


　
　楽しそうにクスクスと笑う声が耳に届き、急降下した私の表情筋。

　心のザラザラを読み取られたくなくて、私は口元を手のひらで覆う。



　……あまねさんって女の子だったんだ。