なぜ微笑みながら、泣きそうに瞳を揺らしているんですか?
自分が悪いわけでもないのに、なぜ心から謝ってくれるんですか?
「お邪魔させてね、琉乃ちゃんのお部屋の中」
唯都様の足の裏が、私のプライベートスペースに着地する。
「本当にこんなところで……」
「いいの」
「でもでも、1階のリビングなら広いしソファもありますし。私の部屋だと唯都様を床に座らせてしまうことになってしまって……」
「ソファ派に見られがちだけど、レッスン場にいる時間が長いからかな? フローリングに座ったりゴロ寝しながらくつろぐの結構好きだよ」
「この狭さじゃ……」
布団を畳んでできたスペースに、二人で横並びに座るくらいしかできなくて……
「大好きな子の息づかいまで堪能できる狭さ、眠くなったら倒れこんで、琉乃ちゃんの肩に頭を乗せちゃおうっと」