「やっぱりリビングに行きましょう」と、私は両手をポン。
案内係として先陣をきらなきゃと、唯都様の前に出たものの
「今から君のご両親に、抗議をしに行ってきてもいいかな?」って言われちゃった。
「たくさん部屋があるお屋敷なのに、娘をこんなところに押し込めるなんて。自分たちは広い部屋でくつろいでるわけでしょ? 許せない、絶対に!」
あわわ、本当に怒りに行っちゃいそう!
フルパワーを手のひらに込め、唯都様を全力で止める。
なんとか注意を他にそらさなきゃ。
えっと、何か話題話題……そうだ!
「わっ私、どうしても聞きたいことがあるんです。グループ名、どうしてエンジェルラダーなんですか?」
私の言葉を聞いて、驚いたように大きくなった唯都様の黒目。
効果ありかも。