そして,下着だけを無言で手に取る。

首にかけたタオルで頭を拭きながら出ると,彼はキッチンにいた。

2人分のマグカップに注がれた緑の液体が湯気を立ち上げている。

あたたかそうなそれに,心まであたたかくなって,また1つほっとする。

私は私に気付かない彼の横に行き,そっと近づいた。

その瞬間,流石に下着とタオルだけで出てくるとは思わなかったのか,驚いた顔が目に映る。

私は構わず,彼の瞳を見つめ続けた。

そして。

彼の首に手を回す。

キスをしたのは,私からだった。