何度かツーポイントシュートは決めることが出来た。
なかなか、スリーポイントは決められない。
何度も何度も繰り返し練習した。
あの日見た、幡多くんみたいなキレイなシュートが出来るようになりたくて。
昨日、背中を押してくれた幡多くんに、胸を張って報告したい。
「千坂!」
ラストワンプレイ。
最後に回ってきたパス。
ボールの先、ゴールが一直線上に重なった。
あ、いけるかも。
そう思った。
その一瞬、体育館にいるはずなのに、公園でシュート練習をしている感覚になった。
『そう。で、ジャンプした後はなるべく同じ場所に着地』
『同じ角度で腕曲げる。力み過ぎない』
幡多くんのアドバイスが脳内で再生される。
練習の通りに、ほぼ狂いなく放たれたボールは綺麗にゴールリングをくぐった。
と同時に試合終了のホイッスルが体育館に響き、川崎が私に抱きついたもんだから、そのまま床に2人で崩れ落ちた。