迎えた試合当日。
「千坂ー!今日、やる気満々じゃん」
意気揚々とストレッチを始めた私に川崎が言った。
相手は同じ地区の高校。
公式戦でもよく試合をする、俗に言うライバル校だ。
場所はうちの学校だけど、練習試合とはいえユニフォームをちゃんと着て行うから、気が引き締まる。
「ほら、特訓の成果を試す時がきたからねっ」
私は川崎にヒソヒソと喋った。
「そーだった。期待しちゃおっかなぁ」
川崎がニンマリ言うので、私は「プレッシャーやめてぇ」と返す。
30分後、それぞれのチームのウォーミングアップが終わるとすぐに試合は始まった。