僕の座席の隣に女の子が立った。
いつも見かける女の子。
すぐ近くの女子高の制服。


いつもと同じはずなのに。


光が差した。



もう一人の女の子。
初めて見る女の子だった。


「栞がこのバス乗るなんて珍しくない?」
急いで来たのか、栞と呼ばれた女の子は息が上がっていた。


「寝坊して、急いでバス停まで来たんだけど、コレ忘れたのに気づいて家に戻って。
3台くらい遅れたかな?
朝から苦しい・・・・・・」



そう言いながら、彼女は手に持っていたスケッチブックを、僕の座席の真上の荷台に置いた。