「ほら、またアホ面になった。昔のハナ垂れヒナ健在~」


「はっ、ハナ垂れとか言わないではーちゃん…!」



私が真っ赤なカオで反応すると、それを面白おかしく待っていたかのように茶化してくるはーちゃん。

はあっとため息を吐いて仲裁に回るのはゆーくんの役目だ。



「とか言ってるけど、葉月だってほんとはヒナのこと可愛くて放っておけなくて大好きなくせに」


「はあ?おれがこんなお子ちゃまを好きとか、脳ミソ腐ってんだろバーカ」



はーちゃんは昔から変わってない。

保育園の頃から、私の少しだけ抜けたところを見てはちょっかいを出して笑ってくる。


ゆーくんに泣かされたことはないけれど、はーちゃんには何度も泣かされてたっけ……。


でも、はーちゃん。

私が他の誰かに泣かされることは嫌うみたいで、そのときは必ず誰よりも怒ってくれるんだよね。